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25 天津の空

天津の空は汚い。

日中、飛行機で渤海湾から天津に入ると高度1、2千メートル以上ではクリアーな大陸の空が広がっているが、そこを境目に下界には灰色の大気が沈殿している。その大気の中では、霧などまったくない晴れた日でも視界は10kmあるかないか。
灰色大気の原因は泥や砂埃だけではなさそう。石炭中心の化石燃料の燃焼、自動車の増加が原因の、所謂スモッグだと思う。

中国の天気予報には晴雨、気温の他に「空気質量」というものがある。中国語の質量は日本語の品質と同義、したがって空気質量は空気品質を示す。ぶっちゃけて言えばどれだけきれいな空気かを予報しますということ。
指標は高、中、低、較差。較差ってとても悪いということか。
一昔前、東京での「光化学スモッグ警報」に近い情報提供である。
ところが、

天津の空は美しい

ときもある。冬の夜はたまーにオリオン座が見えることもある。オリオン星雲まで見えるので結構クリアだ。
日中クリアなこともある。
そんなときは、上空を見上げると飛行機雲が面白い。
飛行機が縦横無尽に航跡を残している。半数は直線を引いているが、天津上空で曲がるものも多い。青空のキャンバスに白い絵の具でいろいろな線を引いたようになる。

これは、現在の航空交通管制方法のため。
旅客機などの航空機は、道なき空を迷わずに行くため空の灯台を利用している。航空標識と呼ぶその灯台装置は主に主要空港に併設されていることが多くおそらく天津濱江国際空港にもある。航空標識は自分の位置を示す電波を出しており、航空機は航空標識からの電波を頼りにそれに向かって飛ぶ。航空標識の真上にきたところで次の航空標識に目標を切り替えて旅程を進める。
つまり例えば北京から離陸した大阪行きの航空機はまず天津に向かって飛び、天津上空で次の標識(韓国の仁川か?)に向きを変える。

最近、衛星による測位技術が発達し、航空標識による航法と同程度の信頼性が出てきた。日本ではその新しい航法(GPS航法)に切り替わると聞く。そうすると航空機は定点上空を飛ぶ必要はなく、最短距離をいわば勝手に飛ぶようになる。つまり航空標識の上への集中がなくなる。といことは数年後には天津の空の線画も消えるのか。
それとも、中国は軍事的要因で飛行空域の制限が多いと聞くのでやはりなくならないかな。

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